1. 崩れゆく闇の鬼
「……ッ!!」
ズバァァァン!!
想乃叶の竹刀が、天霧の身体を貫いた。
「ぐ……ッ!」
天霧の黒い霧が大きく揺らぐ。
「まさか……ここまでとはな」
天霧は一歩後ずさる。
「"鬼ノ血"を完全に覚醒させたか……」
想乃叶は息を切らしながら竹刀を構え直す。
「……これで終わりじゃない」
「……フフ」
天霧がかすかに笑った。
「終わり? いいや、"始まり"だ」
「……?」
「お前たちはまだ知らない」
天霧の口元が歪む。
「本当の"敵"が誰なのかを——」
ズズズ……ッ!!
突然、天霧の身体が黒い霧と共に消えていく。
「逃げる気か!?」
土方が叫ぶが——
「"俺"を倒した程度で、満足するなよ」
天霧の声が、霧の中に溶けていく。
「この戦いは、まだ序章に過ぎない……」
「次に会う時、お前は"本当の鬼"を知ることになるだろう——」
バシュッ!!
黒い霧が完全に霧散し、天霧の姿は消えた。
「……逃げられたか」
土方が舌打ちする。
「なんや、あいつ……意味深なことばっかり言いやがって」
龍馬が拳銃を下ろしながら呟く。
想乃叶は竹刀を見つめる。
("本当の鬼"……?)
(それって、一体……)
不安が、心の奥で広がっていった。
2. 新選組の影
屯所に戻った想乃叶たち。
「想乃叶、大丈夫か?」
桂が心配そうに尋ねる。
「うん……ちょっと疲れたけど」
「無理はするな」
土方が腕を組みながら言う。
「お前の"鬼ノ血"は、まだ完全に制御できてるわけじゃねぇ」
「……うん」
確かに、想乃叶は"緋桜・真打"を発動できるようになったが——
それが"本当の力"なのかは、まだ分からない。
(それに……天霧の言葉)
("本当の敵"って……?)
「……」
その時——
ガラッ!!
「土方さん!!」
隊士が慌てて駆け込んできた。
「どうした?」
「"羅刹"が……!」
「……何?」
土方の表情が険しくなる。
「"羅刹"が、京の町に現れたと……!」
想乃叶は息を呑む。
(羅刹……!?)
「……行くぞ」
土方が立ち上がる。
「想乃叶、お前も来い」
「……!」
("本当の鬼"——それが何なのか)
(確かめなきゃ……!)
想乃叶は竹刀を握りしめ、土方たちの後を追った。
3. 羅刹の出現
京の町——
そこは、異様な光景に包まれていた。
「……なんや、こりゃ……」
龍馬が呟く。
血の臭い。
地面には、倒れた人々が散乱している。
「おい、大丈夫か!?」
桂が駆け寄るが——
「……う……」
生きている者もいるが、みな衰弱していた。
「まるで……"血"を吸われたみたいやな」
龍馬の言葉に、想乃叶は背筋が寒くなる。
(血を吸う……まさか……)
ガサ……ッ
「……ッ!!」
想乃叶が振り向くと——
そこには、異形の者が立っていた。
「グルルル……」
人の形をしているが、その肌は異様に白く、目は血のように赤い。
「"羅刹"……!」
土方が刀を抜く。
「……フフ」
その時、羅刹の奥から、別の声が響いた。
「やぁ、新選組の諸君」
「!!」
闇の中から現れたのは——
黒い軍服を纏った男だった。
「……貴様は?」
土方が睨む。
「僕かい?」
男は不敵に微笑む。
「僕は——"羅刹計画"の執行者"、九条院 宗士(くじょういん そうし)」
「……九条院?」
桂が目を細める。
「確か、宮廷関係の貴族の家系……?」
「フフ、その通り」
九条院は笑みを深める。
「さて、君たちには"選択"をしてもらおう」
「選択?」
想乃叶が眉をひそめる。
「"鬼"として生きるか——」
「それとも"人間"として死ぬか」
「どちらがいい?」
「……ふざけるな」
土方が刀を構える。
「新選組は"鬼"でも"人間"でもねぇ」
「俺たちは——"武士"だ」
「フフ……なるほど」
九条院は軽く手を挙げる。
「では、"テスト"を始めよう」
「羅刹たち、"新選組"を潰せ」
「——!!」
ギャアアアアア!!!
羅刹たちが、一斉に襲いかかってきた——!!
「……ッ!!」
ズバァァァン!!
想乃叶の竹刀が、天霧の身体を貫いた。
「ぐ……ッ!」
天霧の黒い霧が大きく揺らぐ。
「まさか……ここまでとはな」
天霧は一歩後ずさる。
「"鬼ノ血"を完全に覚醒させたか……」
想乃叶は息を切らしながら竹刀を構え直す。
「……これで終わりじゃない」
「……フフ」
天霧がかすかに笑った。
「終わり? いいや、"始まり"だ」
「……?」
「お前たちはまだ知らない」
天霧の口元が歪む。
「本当の"敵"が誰なのかを——」
ズズズ……ッ!!
突然、天霧の身体が黒い霧と共に消えていく。
「逃げる気か!?」
土方が叫ぶが——
「"俺"を倒した程度で、満足するなよ」
天霧の声が、霧の中に溶けていく。
「この戦いは、まだ序章に過ぎない……」
「次に会う時、お前は"本当の鬼"を知ることになるだろう——」
バシュッ!!
黒い霧が完全に霧散し、天霧の姿は消えた。
「……逃げられたか」
土方が舌打ちする。
「なんや、あいつ……意味深なことばっかり言いやがって」
龍馬が拳銃を下ろしながら呟く。
想乃叶は竹刀を見つめる。
("本当の鬼"……?)
(それって、一体……)
不安が、心の奥で広がっていった。
2. 新選組の影
屯所に戻った想乃叶たち。
「想乃叶、大丈夫か?」
桂が心配そうに尋ねる。
「うん……ちょっと疲れたけど」
「無理はするな」
土方が腕を組みながら言う。
「お前の"鬼ノ血"は、まだ完全に制御できてるわけじゃねぇ」
「……うん」
確かに、想乃叶は"緋桜・真打"を発動できるようになったが——
それが"本当の力"なのかは、まだ分からない。
(それに……天霧の言葉)
("本当の敵"って……?)
「……」
その時——
ガラッ!!
「土方さん!!」
隊士が慌てて駆け込んできた。
「どうした?」
「"羅刹"が……!」
「……何?」
土方の表情が険しくなる。
「"羅刹"が、京の町に現れたと……!」
想乃叶は息を呑む。
(羅刹……!?)
「……行くぞ」
土方が立ち上がる。
「想乃叶、お前も来い」
「……!」
("本当の鬼"——それが何なのか)
(確かめなきゃ……!)
想乃叶は竹刀を握りしめ、土方たちの後を追った。
3. 羅刹の出現
京の町——
そこは、異様な光景に包まれていた。
「……なんや、こりゃ……」
龍馬が呟く。
血の臭い。
地面には、倒れた人々が散乱している。
「おい、大丈夫か!?」
桂が駆け寄るが——
「……う……」
生きている者もいるが、みな衰弱していた。
「まるで……"血"を吸われたみたいやな」
龍馬の言葉に、想乃叶は背筋が寒くなる。
(血を吸う……まさか……)
ガサ……ッ
「……ッ!!」
想乃叶が振り向くと——
そこには、異形の者が立っていた。
「グルルル……」
人の形をしているが、その肌は異様に白く、目は血のように赤い。
「"羅刹"……!」
土方が刀を抜く。
「……フフ」
その時、羅刹の奥から、別の声が響いた。
「やぁ、新選組の諸君」
「!!」
闇の中から現れたのは——
黒い軍服を纏った男だった。
「……貴様は?」
土方が睨む。
「僕かい?」
男は不敵に微笑む。
「僕は——"羅刹計画"の執行者"、九条院 宗士(くじょういん そうし)」
「……九条院?」
桂が目を細める。
「確か、宮廷関係の貴族の家系……?」
「フフ、その通り」
九条院は笑みを深める。
「さて、君たちには"選択"をしてもらおう」
「選択?」
想乃叶が眉をひそめる。
「"鬼"として生きるか——」
「それとも"人間"として死ぬか」
「どちらがいい?」
「……ふざけるな」
土方が刀を構える。
「新選組は"鬼"でも"人間"でもねぇ」
「俺たちは——"武士"だ」
「フフ……なるほど」
九条院は軽く手を挙げる。
「では、"テスト"を始めよう」
「羅刹たち、"新選組"を潰せ」
「——!!」
ギャアアアアア!!!
羅刹たちが、一斉に襲いかかってきた——!!


