1. 眠れる力
新選組と維新志士——鬼を巡る戦いの幕が開いた。
しかし、その戦いの中で、想乃叶の"鬼ノ血"はまだ完全に目覚めてはいなかった。
「……時間を操るだけじゃ、勝てない?」
屯所の一室で、一人竹刀を握りしめる想乃叶。
龍馬との手合わせ、桂小五郎の影縛り……。
どれも今までの"剣道"の延長では通じない異能の世界だった。
「"朧月"だけじゃ足りない……もっと強くならないと」
その時——
スゥ……
どこからか、誰かの声が聞こえた。
——"目覚めよ"——
「……え?」
想乃叶の視界が霞む。
まるで、別の世界へと引き込まれるように——。
気がつくと、彼女はどこかの暗闇に立っていた。
そして、目の前にひとりの少年がいた。
「……誰?」
少年は微笑んだ。
「僕は……沖田総司」
「えっ!?」
驚く想乃叶。
「……私の前世、なの?」
「さあ、どうかな?」
総司はふわりと笑う。
「でも、君が僕の記憶を持っているなら、"継承者"としての資格はあるんだろうね」
「継承者……?」
「君は"鬼ノ血"の力を受け継いでいる。でも、それを"本当の意味で"目覚めさせるには……まだ足りない」
「足りない……?」
「"剣"のみに囚われるな、想乃叶」
総司は静かに言った。
「"鬼ノ血"は、ただの剣技じゃない。もっと……"本能"で感じるんだ」
(本能……?)
次の瞬間、総司の姿が霞む。
「……時間が来たみたいだね」
「待って! まだ何もわかってない!」
「大丈夫。君ならきっと"本当の力"にたどり着けるよ」
——スッ……
暗闇が晴れると、想乃叶は屯所の畳の上で目を覚ました。
「……夢?」
(いや、違う……)
確かに"沖田総司"の存在を感じた。
そして、その言葉が胸に残っていた。
「……"本能"で、感じる……?」
2. "鬼"の襲撃
屯所の外が騒がしくなる。
「想乃叶! すぐに来い!」
土方の声が響いた。
想乃叶が飛び起き、外へ出ると——
ゴォォォ……!!
異形の"鬼"が、新選組屯所の前に立っていた。
「……!!」
夜の闇に、巨大な影が蠢く。
まるで、人の姿を捨てたような異形。
「こいつは……"上級鬼"か」
龍馬が舌打ちする。
「想乃叶、準備はいいか?」
「……うん!」
(今度こそ……!)
想乃叶は竹刀を握りしめ、鬼へと向かっていった。
「"朧月"——発動!」
時間が遅くなる。
しかし——
「ッ!!?」
鬼の動きは止まらなかった。
「こいつ……!?」
「"異能"に適応する鬼もいるってことさ」
桂小五郎がどこからか現れ、静かに言った。
「さて、新選組の実力、見せてもらおうか」
「……やるしかねぇな」
土方が刀を構える。
「想乃叶、お前も"限界"を超えろ」
(限界……?)
(違う、"本能"で……)
想乃叶は目を閉じ、ゆっくりと息を吸った。
その瞬間——
"鬼ノ血"が覚醒した。
「……ッ!」
彼女の視界が赤く染まる。
「これは……」
総司の声が聞こえた。
「——そう、それが"鬼ノ血"だよ」
想乃叶の竹刀が、まるで"本物の刃"のように光を帯びた。
「……いくよ」
次の瞬間——
想乃叶は鬼の影へと消えた。
新選組と維新志士——鬼を巡る戦いの幕が開いた。
しかし、その戦いの中で、想乃叶の"鬼ノ血"はまだ完全に目覚めてはいなかった。
「……時間を操るだけじゃ、勝てない?」
屯所の一室で、一人竹刀を握りしめる想乃叶。
龍馬との手合わせ、桂小五郎の影縛り……。
どれも今までの"剣道"の延長では通じない異能の世界だった。
「"朧月"だけじゃ足りない……もっと強くならないと」
その時——
スゥ……
どこからか、誰かの声が聞こえた。
——"目覚めよ"——
「……え?」
想乃叶の視界が霞む。
まるで、別の世界へと引き込まれるように——。
気がつくと、彼女はどこかの暗闇に立っていた。
そして、目の前にひとりの少年がいた。
「……誰?」
少年は微笑んだ。
「僕は……沖田総司」
「えっ!?」
驚く想乃叶。
「……私の前世、なの?」
「さあ、どうかな?」
総司はふわりと笑う。
「でも、君が僕の記憶を持っているなら、"継承者"としての資格はあるんだろうね」
「継承者……?」
「君は"鬼ノ血"の力を受け継いでいる。でも、それを"本当の意味で"目覚めさせるには……まだ足りない」
「足りない……?」
「"剣"のみに囚われるな、想乃叶」
総司は静かに言った。
「"鬼ノ血"は、ただの剣技じゃない。もっと……"本能"で感じるんだ」
(本能……?)
次の瞬間、総司の姿が霞む。
「……時間が来たみたいだね」
「待って! まだ何もわかってない!」
「大丈夫。君ならきっと"本当の力"にたどり着けるよ」
——スッ……
暗闇が晴れると、想乃叶は屯所の畳の上で目を覚ました。
「……夢?」
(いや、違う……)
確かに"沖田総司"の存在を感じた。
そして、その言葉が胸に残っていた。
「……"本能"で、感じる……?」
2. "鬼"の襲撃
屯所の外が騒がしくなる。
「想乃叶! すぐに来い!」
土方の声が響いた。
想乃叶が飛び起き、外へ出ると——
ゴォォォ……!!
異形の"鬼"が、新選組屯所の前に立っていた。
「……!!」
夜の闇に、巨大な影が蠢く。
まるで、人の姿を捨てたような異形。
「こいつは……"上級鬼"か」
龍馬が舌打ちする。
「想乃叶、準備はいいか?」
「……うん!」
(今度こそ……!)
想乃叶は竹刀を握りしめ、鬼へと向かっていった。
「"朧月"——発動!」
時間が遅くなる。
しかし——
「ッ!!?」
鬼の動きは止まらなかった。
「こいつ……!?」
「"異能"に適応する鬼もいるってことさ」
桂小五郎がどこからか現れ、静かに言った。
「さて、新選組の実力、見せてもらおうか」
「……やるしかねぇな」
土方が刀を構える。
「想乃叶、お前も"限界"を超えろ」
(限界……?)
(違う、"本能"で……)
想乃叶は目を閉じ、ゆっくりと息を吸った。
その瞬間——
"鬼ノ血"が覚醒した。
「……ッ!」
彼女の視界が赤く染まる。
「これは……」
総司の声が聞こえた。
「——そう、それが"鬼ノ血"だよ」
想乃叶の竹刀が、まるで"本物の刃"のように光を帯びた。
「……いくよ」
次の瞬間——
想乃叶は鬼の影へと消えた。


