1. “鬼狩り”の本拠地
夜の静寂の中、土方歳三の後をついて歩く沖田想乃叶。
「ねえ、土方くん。これからどこに行くの?」
「……"屯所"だ」
「とんしょ?」
「新選組の本拠地だよ」
そう言って土方は夜の闇に溶けるように進んでいく。
想乃叶は不思議そうに首を傾げた。
(新選組の本拠地って、現代にもあるの?)
そう思いながらついていくと、やがて彼らはとある古びたビルの前にたどり着いた。
「ここ?」
「……そうだ」
土方がドアに手をかけると、機械的な認証音が鳴り響き、重厚な扉が開いた。
想乃叶が中に足を踏み入れた瞬間——
「おお、ついに来たか!」
朗らかな声が響いた。
振り向くと、そこには一人の青年が立っていた。
金髪に長身、軽快な雰囲気を纏ったその男は、にこやかに笑いながら想乃叶を見つめていた。
「お前が"鬼ノ血"の継承者か……なるほど、可愛らしい子じゃないか」
「えっと……誰?」
「俺は坂本龍馬。ここの"副長"みたいなもんさ」
「え、坂本龍馬!? もしかして、あの歴史上の……?」
「ははっ、まあ、そんなとこだな」
軽い口調で言う龍馬。しかし、想乃叶はすぐに気づいた。
(この人、ただのチャラい人じゃない……)
一見柔らかい雰囲気をしているが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「土方、お前の見立て通りの逸材か?」
「ああ、間違いない。こいつの"朧月"は、既に戦闘で実証済みだ」
「ほう……そりゃすげえな」
龍馬は興味深そうに想乃叶を見つめた。
「じゃあ、歓迎の印に、一つ試してみようか」
「え?」
「俺と手合わせしてみるか?」
想乃叶が驚く間もなく、龍馬は腰に下げた拳銃を抜いた。
その瞬間——
バチバチッ!!
龍馬の銃口から雷がほとばしった。
(……! ただの銃じゃない!?)
「さて、お手並み拝見と行こうか」
龍馬の挑戦的な笑みが、想乃叶の心をざわつかせた。
2. 異能力者同士の模擬戦
「えっと……本気でやるの?」
「当たり前だろ? お前がどれだけやれるか、試させてもらうぜ」
龍馬は軽く銃を回しながら言った。
(どうしよう……でも、これって新選組に入る試験みたいなものなのかな?)
「わかった。じゃあ、やるよ」
想乃叶は静かに竹刀を構えた。
「よし、じゃあ行くぜ!」
——ドンッ!
龍馬が引き金を引くと、雷を纏った銃弾が炸裂する。
(見える……!)
想乃叶の視界が、一瞬で研ぎ澄まされる。
"朧月"発動。
時間が遅くなる感覚——しかし、龍馬の銃弾は止まらなかった。
(えっ!?)
「おっと、俺の"雷鳴"は、単なる物理攻撃じゃねえぜ?」
龍馬の異能、"雷鳴"。
——それは、雷速で移動しながら敵を撃ち抜く、超高速戦闘スキル。
「"朧月"は確かにすげえが、時間を操るだけじゃ、俺には勝てねえぜ!」
(そっか……"止める"だけじゃ、意味がない!)
次の瞬間——
想乃叶の身体が、まるで霧のように揺らめいた。
「なっ……?」
想乃叶の姿が消えた。
そして——
「——後ろ?」
「うん、後ろだよ」
気づいた時には、竹刀の切っ先が龍馬の首元を捉えていた。
「……へえ、"朧月"、ただの時間停止じゃねえのか」
龍馬は楽しげに笑う。
「お前、"時の流れ"そのものをズラしたな?」
「え、そうなの?」
「天然かよ……」
土方が呆れたようにため息をついた。
「ははは! これはいい、新選組にとんでもねえ化け物が入ったな!」
龍馬はそう言って、手を叩いて笑った。
「よし、合格! お前、今日から正式に"鬼狩り"の一員だ!」
「え、あっさり?」
「実力があるなら、細かいことは気にすんな!」
龍馬は想乃叶の肩をポンと叩いた。
(何だかすごい世界に入っちゃったなぁ……)
想乃叶は、改めて自分が新選組の一員になったことを実感した。
こうして——
"新選組"の鬼狩り部隊は、新たな戦力を迎え入れた。
しかし、それはまだ始まりにすぎなかった。
夜の闇の向こうで、新たな"鬼"が蠢いていた——。
夜の静寂の中、土方歳三の後をついて歩く沖田想乃叶。
「ねえ、土方くん。これからどこに行くの?」
「……"屯所"だ」
「とんしょ?」
「新選組の本拠地だよ」
そう言って土方は夜の闇に溶けるように進んでいく。
想乃叶は不思議そうに首を傾げた。
(新選組の本拠地って、現代にもあるの?)
そう思いながらついていくと、やがて彼らはとある古びたビルの前にたどり着いた。
「ここ?」
「……そうだ」
土方がドアに手をかけると、機械的な認証音が鳴り響き、重厚な扉が開いた。
想乃叶が中に足を踏み入れた瞬間——
「おお、ついに来たか!」
朗らかな声が響いた。
振り向くと、そこには一人の青年が立っていた。
金髪に長身、軽快な雰囲気を纏ったその男は、にこやかに笑いながら想乃叶を見つめていた。
「お前が"鬼ノ血"の継承者か……なるほど、可愛らしい子じゃないか」
「えっと……誰?」
「俺は坂本龍馬。ここの"副長"みたいなもんさ」
「え、坂本龍馬!? もしかして、あの歴史上の……?」
「ははっ、まあ、そんなとこだな」
軽い口調で言う龍馬。しかし、想乃叶はすぐに気づいた。
(この人、ただのチャラい人じゃない……)
一見柔らかい雰囲気をしているが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「土方、お前の見立て通りの逸材か?」
「ああ、間違いない。こいつの"朧月"は、既に戦闘で実証済みだ」
「ほう……そりゃすげえな」
龍馬は興味深そうに想乃叶を見つめた。
「じゃあ、歓迎の印に、一つ試してみようか」
「え?」
「俺と手合わせしてみるか?」
想乃叶が驚く間もなく、龍馬は腰に下げた拳銃を抜いた。
その瞬間——
バチバチッ!!
龍馬の銃口から雷がほとばしった。
(……! ただの銃じゃない!?)
「さて、お手並み拝見と行こうか」
龍馬の挑戦的な笑みが、想乃叶の心をざわつかせた。
2. 異能力者同士の模擬戦
「えっと……本気でやるの?」
「当たり前だろ? お前がどれだけやれるか、試させてもらうぜ」
龍馬は軽く銃を回しながら言った。
(どうしよう……でも、これって新選組に入る試験みたいなものなのかな?)
「わかった。じゃあ、やるよ」
想乃叶は静かに竹刀を構えた。
「よし、じゃあ行くぜ!」
——ドンッ!
龍馬が引き金を引くと、雷を纏った銃弾が炸裂する。
(見える……!)
想乃叶の視界が、一瞬で研ぎ澄まされる。
"朧月"発動。
時間が遅くなる感覚——しかし、龍馬の銃弾は止まらなかった。
(えっ!?)
「おっと、俺の"雷鳴"は、単なる物理攻撃じゃねえぜ?」
龍馬の異能、"雷鳴"。
——それは、雷速で移動しながら敵を撃ち抜く、超高速戦闘スキル。
「"朧月"は確かにすげえが、時間を操るだけじゃ、俺には勝てねえぜ!」
(そっか……"止める"だけじゃ、意味がない!)
次の瞬間——
想乃叶の身体が、まるで霧のように揺らめいた。
「なっ……?」
想乃叶の姿が消えた。
そして——
「——後ろ?」
「うん、後ろだよ」
気づいた時には、竹刀の切っ先が龍馬の首元を捉えていた。
「……へえ、"朧月"、ただの時間停止じゃねえのか」
龍馬は楽しげに笑う。
「お前、"時の流れ"そのものをズラしたな?」
「え、そうなの?」
「天然かよ……」
土方が呆れたようにため息をついた。
「ははは! これはいい、新選組にとんでもねえ化け物が入ったな!」
龍馬はそう言って、手を叩いて笑った。
「よし、合格! お前、今日から正式に"鬼狩り"の一員だ!」
「え、あっさり?」
「実力があるなら、細かいことは気にすんな!」
龍馬は想乃叶の肩をポンと叩いた。
(何だかすごい世界に入っちゃったなぁ……)
想乃叶は、改めて自分が新選組の一員になったことを実感した。
こうして——
"新選組"の鬼狩り部隊は、新たな戦力を迎え入れた。
しかし、それはまだ始まりにすぎなかった。
夜の闇の向こうで、新たな"鬼"が蠢いていた——。


