鬼ノ血

1. 旅の始まり

「それで、龍馬。どこへ行くの?」

想乃叶は、龍馬の隣を歩きながら問いかけた。

「ふふん、ええ場所があるんや」

龍馬はいたずらっぽく笑い、手紙を一枚取り出す。

「これ、桂からの招待状や。どうやら新しい時代を作るための"会合"を開くらしいで?」

「へぇ、桂さんらしいね!」

想乃叶は微笑む。

「けど、ただの会合に私を誘うってことは、何か企んでるんでしょ?」

「お、さすが想乃叶ちゃん、察しがええな!」

龍馬はニヤリと笑いながら、空を見上げた。

「桂は"戦わずして時代を変える"言うとったけどな……"剣士"の力が必要になる時が来るかもしれん」

「つまり、私に"剣士"として来いってこと?」

「せや。ま、難しい話抜きにしても——」

龍馬は想乃叶の肩をぽんっと叩いた。

「旅は楽しいで?」

想乃叶は、一瞬考えた後——にっこりと笑った。

「なら、行く!」

「やっぱり剣士として生きるなら、面白いことがないとね!」

こうして、想乃叶の新たな旅が始まった。

2. 仲間たちの再会

京都にある桂の屋敷に到着すると、そこには懐かしい顔ぶれが集まっていた。

「想乃叶!」

想乃叶が振り向くと、土方が腕を組んで立っていた。

「土方さん!」

「相変わらず元気そうだな」

「もちろん!」

想乃叶が笑顔を向けると、土方も小さく笑った。

「やっと来たか。龍馬の誘いにすぐ乗るとは、お前も物好きだな」

「土方さんこそ、呼ばれたんですね?」

「……俺も"剣士"だからな」

土方は静かに答える。

そして、桂も姿を現した。

「ようこそ、皆さん」

「今日は、"新しい時代"をどう作るか話し合いたいと思います」

桂は柔らかく微笑みながら続ける。

「ですが、その前に——」

「久しぶりに、腕試しといきましょうか?」

「え?」

想乃叶が驚くと、桂は竹刀を持ち出した。

「戦いは終わったとはいえ、"剣士"であることに変わりはないでしょう?」

「この場にいるのは、みな剣士。ならば、剣で語るのが一番です」

「ははっ、おもろいやん!」

龍馬が笑い、土方も竹刀を手に取る。

「どうする、想乃叶?」

「決まってるでしょ!」

想乃叶は竹刀を握りしめ、微笑んだ。

「私は"剣士"なんだから!」

こうして、戦いのない新しい時代でも、剣士たちは"剣"を通じて繋がり続けるのだった——。

3. 未来へ

その後、想乃叶は龍馬と共に旅を続けた。

日本各地を巡り、剣士たちと出会い、時には試合をし、時には人々を助ける。

「想乃叶ちゃん、次はどこ行こか?」

「うーん……沖縄とか行ってみたいな!」

「ええやん! じゃあ、沖縄行き決定や!」

「ふふっ、楽しみ!」

新選組は解散した。
しかし、想乃叶の"剣士"としての旅はまだまだ続いていく。

これから先も、どんな時代になっても——。

彼女は剣を振るい続けるだろう。

「私は、剣士だから!」

そう笑って、青空の下を駆けていった——。