天使なのに、なぜか甘やかされています。




 そう思った日の夜。

『今から電話掛けてもいいか?』

 世河(せがわ)くんからレインのメッセージが送られてきた。

 え、電話!?
 急にどうしたんだろう?
 ひかりちゃん達と帰った時は普通だったのに。
 何かあったのかな?

 わたしは返事を打とうとする。
 その時だった。

 お義姉(ねえ)さまの気配を感じ、
 同時にコンコンッとベランダの扉を叩く音が聞こえた。

 わたしは、
『あとで』
 と打った途中の文章を世河(せがわ)くんに送り、カンッとスマホを床に落とす。

羽美(うみ)、開けてくれないかしら?』