* そう思った日の夜。 『今から電話掛けてもいいか?』 世河(せがわ)くんからレインのメッセージが送られてきた。 え、電話!? 急にどうしたんだろう? ひかりちゃん達と帰った時は普通だったのに。 何かあったのかな? わたしは返事を打とうとする。 その時だった。 お義姉(ねえ)さまの気配を感じ、 同時にコンコンッとベランダの扉を叩く音が聞こえた。 わたしは、 『あとで』 と打った途中の文章を世河(せがわ)くんに送り、カンッとスマホを床に落とす。 『羽美(うみ)、開けてくれないかしら?』