世河(せがわ)くんの答えを聞いた瞬間、思わず大粒の涙がこぼれる。 「白鳥(しらとり)?」 「あ、ごめんなさい、嬉しくて……」 「実は家では料理任されていたんです」 「でも、食べながら不味いって言われて、終いには、残った料理を投げられて、料理被って、床に落ちた残りを食べてました……」 「だから作るの怖くてずっとコンビニでパン買って……」 世河(せがわ)くんはとても優しい顔つきでわたしを見つめる。