…………え? 頭が追い付かず、あふれる涙を止められないでいると、 駅近くの広場の時計が美しく鳴り響く。 世河(せがわ)くんは徐々に唇を近づけ、 わたしの唇にそっとキスをした。 その瞬間、薄くなっていた体が元に戻り、大きな両翼が美しく広がって、天使オーラが増す。 唇が離れると、世河(せがわ)くんはわたしの姿を見て、すげぇ、綺麗、と言い、安堵の笑みを浮かべ、もう一度抱き締める。