天使なのに、なぜか甘やかされています。



 その呟きは聞かれることはなく、3日後。

白鳥(しらとり)、ほら、手」

 世河(せがわ)くんがそう言って差し出した手をわたしは掴み、
 屋上階段前にある鎖で繋がれた立ち入り禁止の看板を飛び超えた。