天使なのに、なぜか甘やかされています。

 わたしの両目に薄らと涙が滲む。

 世河(せがわ)くん……。

「お前と出会う前から」
「家に一人でいて孤独な時とかそういう時に同じ夢を見てた」
「天使の女の子と出会う夢」

「わたしもお義母(かあ)さまとお義姉(ねえ)様にいじめられていて特に辛い時に同じ夢を見てました」
「人間の男の子と出会う夢」

 観覧車が頂点に到達し、
 わたしと世河(せがわ)くんの隣同士の手が自然と重なり合う。

 すると世河(せがわ)くんが優しく笑った。