ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「一ノ瀬が彼女に対して『妬いてない』って言うからじゃなーい？」

　藤崎くんが昴くんにチラリと視線を寄こして、意地悪そうにフッと鼻で笑う。

「ってか、そんなことを平気で言うってことは、本当は付き合ってなかったりして」

　……ふっ、藤崎くん⁉

　まさか、私と昴くんの本当の関係を見破った⁉

　どっ、どどどどうしよう……⁉

　もし、私たちが付き合っているフリをしているってバレてたら、『何でそんな変なことしてんの？』って怪しまれるのは確実だ。

　そこから芋づる式に、『私が超能力者だという秘密を守るため』という理由まで明るみになってしまったら――私の今後の学校生活はピンチになるに決まってる。

　昴くんも昴くんで、『危険人物をチームに加入させた』と周りに非難され、悲願の黒崎学園トップどころか、Regulus総長の座から降ろされてしまうかも……。

　どうしようどうしようどうしよう……。

　頭の中で悪い想像ばかりがふくらんでいるのはわかっている。

　でも、思いつくことは実際に起こってもおかしくなさそうなことばかりで、恐怖でガタガタ震えていると。