「あっ、あのー……藤崎くん?」
意を決しておそるおそる声をかけると……。
「何……って、げっ!」
思った通り。こっちを向いた藤崎くんが、私を一目見るなり顔をしかめた。
「うっわ、誰かと思えばきみか……」
ああ……やっぱり私、嫌われてるな……。
別に藤崎くんに好かれたいとは思ってない。けれど、目が合った瞬間に嫌な顔をされると前の学校での出来事を思い出してしまって、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
「で、何? 何の用?」
黙り込む私に、藤崎くんが腕を組んで威圧するように言った。
「話しかけてきたってことは、おれに用があるってことだよね?」
「う、うん。えっと……聞きたいことがあって……」
私は手の中にあるミュアユニコーンのキーホルダーが付いた鍵を藤崎くんに見せた。
「これ、近くに落ちてたんだけど、藤崎くんの? さっきから落とし物を探してるみたいだったから、もしかしてって思って……」
「……っ!」
ムスッとした藤崎くんの顔がみるみる真っ赤になり、どんどん余裕のない表情に変わっていく。そして――。
「……っ」
無言で私をキッと睨みつけると、鍵を奪い取るようにつかんで、この場から走り去っていった。
あの鍵、やっぱり藤崎くんのだったんだ……。
ん? あれ? 藤崎くんって女子嫌いじゃなかったっけ?
何で女の子のキャラクターであるミュアユニコーンのキーホルダーを鍵に付けてるんだろう?
あまりにも矛盾していて気になって仕方ないけれど、本人に聞かない限りその理由はわからないし、聞いたとしても怒られそうだし……。
よし、とにかくう気にしないことにしよう。
そう決めて、私はこの件について考えるのをやめた。
意を決しておそるおそる声をかけると……。
「何……って、げっ!」
思った通り。こっちを向いた藤崎くんが、私を一目見るなり顔をしかめた。
「うっわ、誰かと思えばきみか……」
ああ……やっぱり私、嫌われてるな……。
別に藤崎くんに好かれたいとは思ってない。けれど、目が合った瞬間に嫌な顔をされると前の学校での出来事を思い出してしまって、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
「で、何? 何の用?」
黙り込む私に、藤崎くんが腕を組んで威圧するように言った。
「話しかけてきたってことは、おれに用があるってことだよね?」
「う、うん。えっと……聞きたいことがあって……」
私は手の中にあるミュアユニコーンのキーホルダーが付いた鍵を藤崎くんに見せた。
「これ、近くに落ちてたんだけど、藤崎くんの? さっきから落とし物を探してるみたいだったから、もしかしてって思って……」
「……っ!」
ムスッとした藤崎くんの顔がみるみる真っ赤になり、どんどん余裕のない表情に変わっていく。そして――。
「……っ」
無言で私をキッと睨みつけると、鍵を奪い取るようにつかんで、この場から走り去っていった。
あの鍵、やっぱり藤崎くんのだったんだ……。
ん? あれ? 藤崎くんって女子嫌いじゃなかったっけ?
何で女の子のキャラクターであるミュアユニコーンのキーホルダーを鍵に付けてるんだろう?
あまりにも矛盾していて気になって仕方ないけれど、本人に聞かない限りその理由はわからないし、聞いたとしても怒られそうだし……。
よし、とにかくう気にしないことにしよう。
そう決めて、私はこの件について考えるのをやめた。


