ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

 体力の限界が近いとはいえ、なんとかスピードを上げて角を曲がった直後、脳内に自分が透明人間になる姿をイメージする。

 すると、体が徐々に透けていき、あっという間に透明になった。

「あれ? 転校生は」

「き、消えた……?」

「そんなわけないでしょ! 逃げたんだよ!」

「ほんと、どこ行ったんだろ……?」

 曲がり角にたどり着いた彼女たちは、私に気づくことなく目の前を通り過ぎていった。

「はーっ、疲れた……」

 やっとどこかへ行ってくれた。女子たちの姿が完全に消えたのを確認し、私は透明化を解いてほっと胸をなで下ろす。

 さて、Regulusのみんなが待ってる旧校舎の第三音楽室に行くとしよう――と思ったそのとき。

「ん?」

 ふと、床の上で何かがキラッと光った。

 近づいてみると、それはキーホルダーのついた銀色の鍵だった。

 どうやらこれが光っていたみたいだけど……ん? あれ?

 このキーホルダーのキャラクター、どこかで見たことがあるような……。

 ラベンダー色の髪に角のカチューシャをつけて、丈の短いドレスみたいなふわふわした服を着た美少女キャラ――あっ、思い出した!

「これ……、昔のマジミュアじゃん!」