ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「大丈夫?」

「はい、ありがとうございます……あれ?」

「ん? どうした?」

 顔を上げて会長と目が合った瞬間、私は思わずきょとんとした。

 あの不良3人組がビビるくらいだから、相当怖い顔をした人かと思ってたけど……実際の会長は、ミルクティー色のふわっとした髪に垂れ目が優しそうな男の子。

 綺麗にアイロンのかかった制服をきちんと着こなしてて、全然黒崎学園の生徒っぽくない。

 なんなら、私の前の学校にいそうな雰囲気を感じる。

「君、2年B組の彩城茉紘ちゃんだよね?」

「は、はい」

 つい返事しちゃったけど、何でこの人、私のクラスと名前を知ってるの?

 私とは初対面のはずなのに……。

「やっぱり! 瑠夏から特徴聞いてたから、そうじゃないかと思ってたんだ」

 ……ん? 今、『瑠夏』って言った?