ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「おい、待てコラ!」

 アスファルトを蹴って走り出した私の背後から、3人がバタバタと全速力で追いかけてくる。

 ああもう! しつこいな……ってか、足速っ!

 彼らのことを侮ってたわけじゃないけど、昨日あんな大怪我をしたのを感じさせないほどの俊足に、びっくりした拍子に転びそうになった。

「諦めて大人しくしろっ」

 バランスを崩した私をつかまえようと、赤髪の不良が腕を伸ばしてきたその瞬間。

「つかまえた!」

 突然、初めて聞く声がして、私の体がふわっと宙に浮いた。

 さっきまで恐ろしい形相だった不良3人組が、一気に青ざめて立ち止まる。

 何事……?  って、私……担がれてる⁉

「か、会長……」

 赤髪の不良が震える声でつぶやいた。

「僕、言ったよね? これ以上他人に嫌がらせするなって」

 頭の上から『会長』とやらの穏やかな声が降ってきた。

 優しそうなトーンをしているのに、なんとなく威圧感を覚える。

 「しかも、一人を大勢で追い回すなんて……僕が同じことしてあげようか? 今から役員全員呼ぶけど」

「す、すみませんでしたぁっ!」

 不良3人は慌てて頭を下げ、猛ダッシュで逃げていった。

 助かっ、た……。無事でよかった、とほっと胸をなで下ろす。

 私を庇ってくれた会長には、ちゃんとお礼を言わないとな。と思ったそのとき。
 
「茉紘っ!」

聞き覚えのある声にハッとする。視線の先には、見覚えのある黒髪の男子が息を切らして立っていた。