ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

     ◆

「ねえ、何であのウワサの話になったとき、『違う』って言わなかったの?」

 完全下校時刻の少し前。一ノ瀬くんに第三音楽室に残ってもらった私は、二人きりになったときに思い切って聞いてみた。

「このままじゃ私たち、Regulusの人たちどころか、学校中のみんなにもカップルだって思われるんだよ⁉」

「いや、それでいい」

「えっ⁉」

 どういうこと?

 このまま誤解されてもいいってことは……もしかして一ノ瀬くん、私と付き合ってもいいって思ってる⁉

 いや、さすがに飛躍し過ぎか……。でも、本当のところはどうなんだろうと、ドキドキしながら一ノ瀬くんの返事を待ってたら。

「俺たちが付き合ってることにしといたほうが、彩城がRegulusに入る理由として自然だからだよ」

「……自然?」

「ああ。総長の彼女がチームに仲間入りしているケースはかなり多いからな」

「そうなんだ……」

「それに、あのウワサを認めれば下手にウソをつく手間が省けるし、ボロが出る心配もないだろ」

 たしかに。下手にウソの理由を作ってしまうと、私が超能力者だって秘密がRegulusの人たちにバレてしまうかもしれないもんね。

 でも……。