ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「わかった」とうなずいてくれた。

 よ、よかったあ……。

 さすが一ノ瀬くん。話が早くて助かったよ。とほっとしていたのも束の間。

「その代わり、条件がある」

 一ノ瀬くんは何かを企んだようにフッと微笑んだ。

「じょ、条件……?」

「ああ。俺が秘密を守るのを引き換えに、彩城はRegulusに入ってもらう」

「ええーっ⁉」

 よりにもよってその条件⁉

 自分が暴走族に仲間入りするなんて……。私に対して、一ノ瀬くんは冷静に答える。

「ほら、言うだろ? 望みを叶えてもらうには、相応の対価を払う必要があるって」

「まあ、どこかで聞いたことあるけど……」

「それだけじゃない。さっき、藤崎に絡まれてたところを助けた借りも返してもらわないとな」

 一ノ瀬くんの言う通りだ。
 
 自分のお願いを聞いてもらうばかりで何のお返しもしないのは、相手に対して失礼だし不公平だ。

 それに、私には彼に対して借りがあるのも事実。でも……。