ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

 緑色の床の上に全身を強く打ち付ける覚悟をした瞬間、背中がぽすっと何かに受け止められた。

 え? 今の何⁉

 おそるおそる閉じていた目を開けて、自分の状況を確認したそのとき。

 私は思わず声にならない叫び声を上げてしまった。

 ――私、一ノ瀬くんに抱きとめられてる⁉

「話はまだ終わってないぞ」

 一ノ瀬くんが私の顔を上からのぞき込んできた。

 もうっ! 距離感バグりすぎだよ!

「な……何……?」

 ドキドキしている場合じゃないのに、心臓の鼓動がどんどん大きくなっていく。

 このまま見つめ合っていたら、私の心臓がいつ破裂してもおかしくないかも……と思っていると。

「俺の仲間になってくれないか」

 な、仲間?

「あ……あの、仲間って何? どういうこと……?」

 私がなんとか上体を起こしてたずねると、一ノ瀬くんが両手を強く握りしめてきた。

 期待のこもった真剣な目つき。

 なんだか嫌な予感がした直後、彼は私に向かって頭を下げた。


「頼む。どうか、Regulus(レグルス)のメンバーになってくれ」

「へ……?」