ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「で、さっきのは一体何なんだ?」

「さっ……ささささっきの、とは……?」

 心当たりがありすぎて、どもりながらもたずねる私に、一ノ瀬くんは不良3人組をちらっと一瞥するなりこう聞いた。

「こいつら、ぶっ飛ばしただろ?」

「へっ……⁉」

「しかも、3人同時に。指一本も触れずにだ」

 うそ、さっきの見られてたんだ……。

 額にじわりと冷や汗がにじむ。体温が一気に下がっていくのもわかった。

「なあ、彩城。お前って……」

 一ノ瀬くんはそこまで言うと、つかつかとこちらに近づくなり私の目の前に立ちふさがった。

 背の高い彼は、顔を強張らせる私をじっと見下ろすなり、ゆっくりと唇を開く。

「もしかして――、超能力者か?」