ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「彩城、がやったのか……?」

 聞き覚えのある声に、私の心臓がドクッと跳ね上がった。

「え……?」

 おそるおそる首を動かして、声がする方に顔を向ける。

 すると、さっきまでこの場にいなかったはずの一ノ瀬くんが、私を見つめて呆然としていた。

 まるで超常現象でも目の当たりにしたかのような、信じられないとでも言いたげな顔つきをしている。

「な、何で一ノ瀬くんがここに……?」

「クラスのやつに、彩城が屋上に行ったって聞いたんだよ。最近、何かと面倒な輩がここを溜まり場にしてるって聞いてたし、危ないと思って連れ戻しに来たってわけ」

 一ノ瀬くん、私を心配してくれたんだ……。

 今日出会ったばかりの私を、わざわざ助けに来てくれて、本当にいい人だなあ……。と感動していたのも束の間。