ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「昴くん、どうしてここに?」

 私は、ロープを解いてくれる昴くんに小さな声でたずねた。

「茉紘のテレパシーのおかげだよ」

「ええっ⁉」

 まさかの返答に、思わず耳を疑った。

「そうか? でも、俺の頭の中ではっきりと聞こえたんだよ。『昴くん、助けて‼』って茉紘の声がさ」

 ありえない。私は心の声に関する能力が使えない超能力者だ。

 他人の心を読もうとしてもノイズしか聞こえないし、ましてや特定の人に自分の心の声を届けるだなんて……私には無理な芸当だ。