ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

 実は私、彩城茉紘は超能力者だ。

 両親によると、ご先祖様に超能者がいたらしく、私は隔世遺伝でこの能力を引き継いだらしい。

 ちなみに、私が使える超能力は、物体を自分の意思の力だけで動かす念動力(テレキネシス)や、距離の長さ関係なく一瞬で目的地に移動できる瞬間移動(テレポート)

 ほかにも、空を飛んだり、全身を透明化させたり、物体の中の透視したり……というふうに、得意不得意はあるけれど、いろんな超能力が使えるんだ。

 でも、私が持つこの力のことは絶対に秘密。

 もし、ほかの人にこの秘密がバレてしまえば、学校中が大騒ぎになるどころか、悪いことを企んでいる人物やグループに狙われたり、利用されたりする危険性があるからね。

 だからこそ、『新しい学校でも、人前では絶対に超能力を使わない』って、自分の信条を守っていたはずだった。なのに……。

 正当防衛? 不可抗力?

 ピンチだったからしょうがなかったとはいえ――たった今、私は自分の中での決め事をあっさりと破ってしまった。