ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

 ――ガシャァァアアアアン‼

 突風が私の手から吹き出し、何かがフェンスに激突したようなけたたましい音が響いた。

 うそっ……。私、またやらかしちゃった? はは、まさかね……。

 いつの間にかぎゅっとつむっていた目をおそるおそる開くと、さっきまで私を見下ろしていたはずの不良3人組が、数メートル離れた先のフェンスにめり込んでいた。

 彼らを受け止めたところの金網は大きく歪んでいて、ギシッという金属がかすかに軋む音がする。

「う、うぅ……」

 私の胸ぐらをつかんでいた赤髪の男子が、うめき声を上げるなり、近くの床にドサッと倒れ込む。

「ヤ、ヤバい……」

 全身からさーっと血の気が引いていくのが自分でもよくわかる。

 どっ、どどどうしよう⁉

 私ってば、ついうっかり超能力でこの人たちを吹っ飛ばしちゃった……。