ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「茉紘が好きなんだ。誰に何を言われても、絶対に手離したくないぐらい大好きなんだよ」

 大好きな人からのまっすぐな言葉が、心の奥底へとしみ込んでいく。

 すっかり泣き止んでいたはずなのに、再び目の奥が熱くなり、涙があふれ出した。

「嬉しい……」

 気づけばぽろぽろと涙を流していた。さっきの喪失感からの涙とは違って、感極まった嬉し泣きだ。

「私もっ……、昴くんのことが好き……!」

 一生昴くんに言えないと思っていた気持ちを口にする。

 この恋は、自分の中でしっかりとけりをつけて、諦めようさえしていた。

 でも今、はっきりと気持ちを伝えられて、しかも昴くんも同じ気持ちだなんて――。

 どちらかともなく、私たちは抱き合った。

 そして、甘い夢でも見ているような心地よさを、じっくりと噛みしめた。