ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「何泣いてんだよ」

「なっ……、泣いてない! 雨に濡れただけ!」

 慌てて強がってみせたけど、昴くんにはバレバレだったみたいだ。

「目、赤くなってるように見えるけど」

 昴くんが顔を近づけてくる。目と鼻の先まで迫る距離に、夜空のような深い色をした瞳が私をとらえた。

なんだか今にも吸い込まれてしまいそう……と私が思ったとたんに、心臓がドキドキと高鳴り始める。

「あ、やっぱり赤い。泣いてたな」

 ぽつりと呟くように言った昴くんに、私は渋々小さくうなずいた。

「えっと、あの……」

「理由はあとでいい。話の続きは、その濡れた制服をどうにかしてから聞かせてくれ」