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瞳ちゃんと別れて駅ビルを出たあと、私はとぼとぼと歩きながら、数日前のデートのことを思い返していた。
あのときの昴くんは、すでに瞳ちゃんのことを知っていたんだ。
――それも、自分のお見合い相手として。
名家のお嬢様と婚約するほどの昴くんの素性が気になるところだけど……それよりも。
こんなに大事なことを、どうして彼は私に話してくれなかったんだろう?
瞳ちゃんとの婚約がまだ口約束の段階で、今後変わるかもしれないから?
それとも、私とはただの契約関係の相手だから……?
この婚約の件で私が部外者なのは十分にわかっている。
それでも、昴くんが婚約した事実くらい、瞳ちゃんの口から聞かされるよりも、もっと前に知りたかった。
そしたらきっと、いつの間にか芽生えて大きくなってしまった『昴くんのことが好き』っていう私の気持ちを、小さいうちにつみ取れたかもしれない。
そして、今頃泣かずに済んだのかもしれないのに……。
瞳ちゃんと別れて駅ビルを出たあと、私はとぼとぼと歩きながら、数日前のデートのことを思い返していた。
あのときの昴くんは、すでに瞳ちゃんのことを知っていたんだ。
――それも、自分のお見合い相手として。
名家のお嬢様と婚約するほどの昴くんの素性が気になるところだけど……それよりも。
こんなに大事なことを、どうして彼は私に話してくれなかったんだろう?
瞳ちゃんとの婚約がまだ口約束の段階で、今後変わるかもしれないから?
それとも、私とはただの契約関係の相手だから……?
この婚約の件で私が部外者なのは十分にわかっている。
それでも、昴くんが婚約した事実くらい、瞳ちゃんの口から聞かされるよりも、もっと前に知りたかった。
そしたらきっと、いつの間にか芽生えて大きくなってしまった『昴くんのことが好き』っていう私の気持ちを、小さいうちにつみ取れたかもしれない。
そして、今頃泣かずに済んだのかもしれないのに……。


