ワケあり転校生×総長さまの甘くてキケンな溺愛契約⁉

「ねえ、茉紘。黒崎学園に通っているなら、その……」

 と、瞳ちゃんが私に何かを言おうとしたそのとき。

「茉紘!」

 遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。

 振り向くと、やっと用事が済んだらしき昴くんが、こちらに向かって走ってきている。

「同じ学校の友達?」

「えっと……まあ、そんな感じ」

「そっか。それじゃあ、私は邪魔にならないように退散するね」

 瞳ちゃんは私に軽く手を振って、そそくさとこの場を去って行った。