「……ん?それどうしたの?」
ちょん、と私の指をつつく先崎くん。
「ドッジボールの最後の方で、突き指。なんかソフトボールやってた子らしくて、ボール強かったからかな。意地張って取ろうとした結果がこれでした……」
人差し指1本だけ、怪我しました感がある白いテープのせいでバレてしまった。
一応、袖に手隠してたんだけど。
「平気?」
「平気、平気。骨折れたわけじゃないし。ちょっと大袈裟に巻かれただけだよ」
手を握ったり開いたりして見せれば『そっか』と先崎くんは私の指を再度見た。
本当にそこまで痛くないんだけどね。
「そろそろ後半始まるよ、先ちゃん。後半はがんばろーね!動こーね!」
「がんばれせんせ、先崎くん!」
藤田くんに絡まれながら、溜め息とともにグラウンドに戻っていく先崎くん。
0─0でむかえた後半戦。
さっきとはうってかわって、動き回る先崎くん。
「お、先ちゃんやる気出た!?」
「ボール、はやくよこして」
前半、攻撃どころか守備すらも微妙にサボっていたのに、急な攻めスタイルに入った先崎くんに、藤田くんも驚いてる。
「ははっいい誤算!行くよ先ちゃん!」



