ワケアリ無気力くんが甘いです




「ヤコちゃあーん……!!」


休み時間になるなり、かんちゃんがすっとんで来て、私のところへ泣きついてきた。


「お勉強会してくださいっ!赤点回避のために!」
「私が出来る範囲なら、手伝うよ?」


一応承諾するも、成績に関しては良くも悪くもないから……決して自信があるわけではない。
しかも2人して苦手な科目は理数系という。

正直、2年初のテストだし……助っ人が欲しい──

クラスで快く勉強を教えてくれる人はいないか、かんちゃんの背中を抱きながら見渡していると、先崎くんと目が合ってしまった。

何か言いたげな私にどうしたのか、目で問われるも、かんちゃんがすり寄っているため、今はちょっと無理っぽい。
……せめてメッセージからでも聞いとこうかな。

授業が始まるぎりぎり前、私は先崎くんに勉強会の話を持ちかけてみた。
すると、すぐにスマホを確認した先崎くんから返信が来て……


──え、そうなの!?


"フジ。常に学年トップ3以内だよ"


いつもおふざけばかりの藤田くんが……でもこれは心強いかも。藤田くんなら、私からも声かけられるし。

ありがとう、っと。後で聞いてみなくちゃ。