「皆おはー……ってあれ?先ちゃん。どったの?なんか栄養足りてないお花みたいな顔してるよ?」
「は、何その例え。意味不明……」
机と一体化するかのように、先崎くんはべたっと伏せているところを、藤田くんがちょっかいをかける。
その姿を座りながら眺めていると、私のそばにいるかんちゃんが首をかしげた。
「……先崎くん、だいたい机と頬っぺたくっつけてるけど、今はお腹空いてるのかな」
違うよ、かんちゃん。
今朝のゲームで、先崎くんは私にリベンジを果たせなかったの。だから……そう、ドヨンタイム。
「僕から栄養をあげようか!?」
「どうせゲテモノだろ。いらない」
「ゲ、ゲテモノ!?そんなっ……先ちゃんひどいわ!この飴ちゃんをゲテモノ呼ばわりするなんて!苺味なのに!」
チャイムが鳴るまで、藤田くんのちょっかいは終わらず、先崎くんが寝たふりをしたことで、クラスの子達が藤田くんのひとり騒ぐ姿に笑い出す始末だった。



