ワケアリ無気力くんが甘いです



「よっるこちゃーんっ!」


突然思いきり開けられたドアから、お兄さんが入ってきた。そして静かにお兄さんを睨む先崎くん。


「タイミングくっそ悪ぃんだけど」
「んもう、あんたまたそんな言葉遣いして……夜子ちゃんに嫌われるわよ?」
「全部話したし、全然嫌われないって自負してっからいいし……つか、勝手に入ってくんな」
「優麗が変なことしてないか!怪しい本やら何やらはないか、心配になっちゃって」


探す素振りを見せるお兄さんに、より先崎くんの目が鋭くなっていく。


「変な事も変な本もねぇし。店戻れよ」


立ち上がってお兄さんの背中を押しながら部屋の外へ追いやる先崎くん。
抵抗しながらも力負けか、お兄さんはすんなりと廊下へ。


「夜子ちゃんまたねー!」
「あはは……」


重い雰囲気を壊してくれたことは良かったけど、先崎くんはドアを閉め、盛大に溜め息をついた。