「何でって言われると……最初の印象からかな、とは思う。不良時代に色んな奴見てきたからか、この人は無理。この人は大丈夫、みたいなのが雰囲気でわかるんだよ」
雰囲気……
最初っていえば……あの屋上前の階段でのことか。
見かけた先崎くんを追いかけて、ドヨンタイムを過ごして、一緒に教室に入ったんだよね。
「話すうちに、人柄もわかってきたし……警察署の件もあったから、自分のこと話せるかもって。だから、俺が自分から不良話したのは黒羽さんがはじめて」
私に話したのが、はじめて──
「まぁ、聞きたくなかったかもしんないけ──」
「そんなことない!話してくれて凄く嬉しいよ、私」
また前のめりに、床に手をつきながら伝えれば、先崎くんは嬉しそうに目を細めた。
「……そう、言ってくれるって思ってた」
「私も……何かどーん!と大きい話があればいいんだけど、あいにくこんなんだから何もなくて。ごめんね?」
なんかフェアじゃないな、なんて勝手に思うけど、特に見た目とか変わりなく私は高校生になったし……でも何かないか、頭の中から絞り出そうとしていれば、
「なら俺、1個聞いていい?」
先崎くんから問われ、迷いなく頷いた。
何を聞かれるのか見当つかないけど、大体答えられる──
「夜子……って呼ばれるの嫌だったりする?」
──!



