ワケアリ無気力くんが甘いです



──会計後、誰もいないから、と本当にお邪魔に。


お兄さんに言われた通りのルートで進めば、【ゆらroom】と書かれたプレートがドアにかけられていた。
ちなみに、奥に【のぞみroom♡】とお兄さんのお部屋も見つけた。


「どうぞ」

「お、お邪魔します」


半開きのドアを開けられ中に入れば、ベッドと折り畳み式のテーブル、タンス、とシンプルな部屋が。
カーテンも布団も、柄物はなくブルーで統一されてる。落ち着いた雰囲気で、先崎くんらしい部屋だ。


「適当に座って……ってなんか座布団とかいる?」
「だ、大丈夫ですっ!」


敬語になってしまった……でもとりあえず床に正座する私と、胡座の先崎くん。
その間にはお盆にのる2つのグラスのお茶。

「あー……特に何もない部屋でごめん」

「そんな全然、お邪魔しちゃってこちらこそごめんね?」
「いや、全然いいよ。親留守だし。と言ってもすることがなぁ……あ、そうだ。俺、黒羽さんに話すことあったんだ」
「私に?」


首を傾げれば、先崎くんはお茶を1口飲み、頷いた。