ワケアリ無気力くんが甘いです


「だって、言わなければ私にはわからないのに……教えてくれたから。その、ありがとうだよ」


不良だったと言う先崎くんは、そんなことを感じさせない程、呆気にとられた表情をしている。
さっき、おでこを見た時の私みたいに。


「私が知ってる先崎くんは、こう……ドヨンとしたり、ちょっと笑ってくれたり、一緒にゲームして負けず嫌いだったり……絵が上手だったり……優しいの」


だからね、と続ける。


「元不良でも、何でもいいかなって……思っちゃった」


話すようになって日数はまだまだ浅いかもしれないけど、そう思ったから、まっすぐに告げて眉を下げて笑みを浮かべる。

私は気にしないよって意味が伝わればいいけど──


「……そっか」


先崎くんは、安堵したのかうっすらと目尻を下げると、マスクに手をかけ、そのまま外した──