ワケアリ無気力くんが甘いです



――そして受付カウンターに戻ると、すでに座って作業をしている先崎くんが顔を上げた。


「お疲れ、ありがと」

「お……」

「え?」


先崎くんを見た瞬間、口が半開きになってしまった。

だって、


――お、おでこがっ……!!


知らぬ間に前髪があげられ、ピンで留められていて……先崎くんの額が丸見え。

いつもは目が隠れちゃうくらいの、前髪の長さなのに――おでこが……。


「黒羽さん?」

「っご、ごめん!?」


かけられた声に反射的に謝ると、


「なんか俺もごめん」
「……え?」


何故か先崎くんまで謝った。
なにに対してのごめんなのか、見当がつかない。先崎くんから、謝られるようなこと何もされてないのに。


「ほら……警察ん時以来じゃん、こういう感じ。ぶっちゃけあの時の方がヤバイけど……」


本を手に、少し気まずそうに顔を反らす先崎くんに歩み寄る。


「あぁ……でもいいんじゃないかな……先崎くん、格好いいし。ファッションは自由なんだし」


気にすることないよ、と笑って見せるも、切なそうな表情が返ってくる。
そして、先崎くんはそばにある椅子を自分の隣に引き寄せ、私に座るよう促した。

頷いて隣に腰かければ、先崎くんはなおしていた本をカウンターに置き、私に向き直った。