ワケアリ無気力くんが甘いです



ずっと先崎くんに首を振られ続けた藤田くんは、急に背をむけた。


「親睦会に行けなかったから遅れを取り戻そうと、クラスに馴染むのに必死なのに。先ちゃんきびしいっ」


ぐすん、わざとらしくハンカチを手にして入る。


「そう言えば、藤田くん何でお休みだったのか聞いても?」
「こいつ盲腸だよ」


再び私の背中に回った先崎くんが教えてくれて、藤田くんもまたこちらに向き直った。


「そう盲腸だったのさー……だからお友達できるか心配で心配でっ」
「お前なら秒で馴染めるでしょ。全然心配いらないって」


泣き真似をする藤田くんに対し、心配するどころか、先崎くんの表情は無。
でも確かに、藤田くんみたいなキャラだったら遅れなんてすぐ取り戻せそう。


「私も大丈夫だと思うよ」
「やっぱり!?僕もそう思う!」
「はいはい」


先崎くんが嬉しそうな藤田くんをスルーしたと同時にチャイムが鳴った。