「正直俺が何かしたかも、って思ったでしょ?」
「ちょ、ちょっと思ったり……しなくはなかった」
指でそのちょっと、を表すも気まずい。
そしてまた背中をむける先崎くんは、背中を丸めた。
「ま、そうだよね」
先崎くんの言葉がどこか自虐的な笑い方に聞こえて、なんて返せばいいのかわからなくなった。
お互いに黙り込んで、少しの沈黙が流れた後……。
「……実際はさ、何日か前に財布拾って届けたんだけど、見つかったからーってお礼されてたって感じです。……まぁ信じらんないかもだけど」
昨日の警察署から出てきた理由を告げ、先崎くんはこちらを振り向かず立ち上がって階段をおりようとした。
だから私もつられるように立ち上がる。
「しっ……信じるよ。確かに、先崎くんのあのギャップには驚いたけど……信じるよ。私」
腕を掴みながら告げれば、先崎くんは驚いた表情から優しい顔へと変わり……



