──教室を出てまっすぐ、はじめて先崎くんと会った屋上前の階段に座って項垂れた。
「あー……明らかに不自然だったじゃん私」
目合ってすぐそらすとか、嫌みくさいことしちゃったしさぁ……よくない。よくないって今の……。
膝に顔を埋め、一人反省。
「……ちょっといい?」
「うわっ!?」
声に驚き肩が跳ね、顔を上げれば、
前に私が覗いていた位置に今度は先崎くんがいる。はじめて話した時と立ち位置が逆だ。
「せ、先崎くん……ど、どうぞ」
私の最悪なリアクションが気になって追いかけてきたのかな。
あからさまだ、とか言われても仕方ないから、そのときは謝ろ……
先崎くんは私から一段下に座ると、背を向けたまま話し出した。
「なんとなく、変に誤解されてたらイヤだな、と思って」
「……誤解?」
見える背に問いかけ、先崎くんはただ頷く。
「学校の俺じゃないバージョンの俺を見て、しかも出てきたの警察署だったから」
「う、うん」
警察署、ってワードに膝を抱えると、
先崎くんは肩越しに私を見た。



