バタバタと慌ただしく家に入り、荷物を床に放ると、ソファにダイブし、今しがた見た姿を思い出す。 学校の先崎くんと── さっきの先崎くん── 「……信じられないくらい、別人」 普段、すごく静かでおとなしい印象の先崎くんだけど…… 真逆も真逆。夢かと思うほどには未だに同一人物か疑いたくなる見た目だったから。 目を瞑るとつい、何度も頭で思い返してしまう。 「でも出てきたのが警察署……って」 一体何があったんだろ――