ワケアリ無気力くんが甘いです



楽しそうな足取りで、ケーキを取りに行ったかんちゃんの姿を見てから、私は先崎くんに質問した。


「甘いものはあんまり?」

「そうじゃないけど、こういう場だと食べる気うまれなくて」


ドヨン。


夜子「そ、そっか」


気持ちはすごくわかる。

やっぱり同士だ。




──それから、私もいくつかケーキを食べ、かんちゃんとたまに先崎くんとも話ながら、それなりに楽しんでいた。


「私、ちょっとお手洗い行ってくるね」

「わかっはぁ」


食べながら頷くかんちゃん。よっぽど美味しいのか、頬にクリームをつけ、もう何個めかわからない程のケーキを平らげている。


優麗「あ……俺も」


つかず離れずの距離でお手洗いに向かい、わかれる。


別にここに用があったわけじゃなく、ただ騒がしい雰囲気から一時的な休憩が欲しかった私は、鏡の前でため息をついた。


「はぁ……」


先崎くんじゃないけど、ケーキがあまり入っていかない。
というか、先崎くんは一つも食べてないし、水しか飲んでないような……