俺が新選組に入隊してから、一週間が経ったある日、俺は一番隊に属することになった。その伍長である伊藤鉄五郎によると、各隊には隊長が一名ずついて、その隊長になるには剣の腕がずば抜けていること、それと新選組の中で師範代にまで上り詰めること。そしてもう一つが、局長からの信頼が厚いこと。その三つだそうだ。

そして、一番隊の隊長である沖田総司は新選組内で一位二位を争うほどの実力者で、局長や副長からの信頼も厚く、裏切るような事は天地がひっくり返ってもしない。とのことだ。



そして俺は未だにその隊長と会えていない。

「あれは……」

暇なのか?と疑うほどの少女が強面の人兼土方さんに抱き着いていた。

「ぜったい離れませんっ!私、何があっても土方さんと結婚するって決めてるので!」

「ばっ!やめろっ!俺はてめぇとは結婚しねーよ!つかいい加減そのヤンデレと束縛やめろ!」

ヤンデレ……束縛……

これにあともう一つ何か揃ってたらやばいんだろうな……例えばギャップになる何かが……


「あれぇ……?土方さん女の臭いがする……まさか遊郭行った!?私の知らない間にそんなとこに行くなんて……!酷いっ!」

「俺が何しようと俺の勝手だろ!だいたいてめぇには関係な……」

うわぁ……さすがにやばいよ……


だけど土方さんも土方さんで酷いなぁ……


「土方さん……ねぇ....なんでほかの女と話してたの?私以外の女とは喋っちゃいけないって言ったでしょ?そうやって浮気するんだ…私はこんなに愛してるのに……」


うん?やばくないか?これ……

「今日は絶対にどこにも行かせないから。もし逃げたら、斬り殺して永遠に私のモノにするから……!」

「……そ……じ……?」

なんでみんな止めようとしないの!?確かにこれ止めれないくらいやばいけど……どうすれば……

殺気もやばいし……

そこに救世主?なのか分からないけど、俺と同期のやつが乱入して来た。


「何してんだよ!早く離れろっ!」

「……土方さんが悪いんだよ?私の気持ちも知らないで。遊郭なんかに無断で行くからだよ?それに君なんで邪魔するの?貴方には関係ないでしょ?次また同じように邪魔して来たら、君から消すよ?今の会話聞いてたでしょ?……悪いのはどっちだと思う?」

「土方さん嫌がってるじゃねーか!なんで、なんでそんなに束縛するんだよ!それじゃ土方さんが何も出来ねーだろ!そんなに生活を縛りたいのか!?」

よくそこまで言ったな……

そう感激していたのも束の間、

「あはは……何か言った? ごめんね、耳に入らなかったなぁ……うるさくて。さっき言ったよねぇ……同じように邪魔して来たら君から消すって。その覚悟があるってことだよね?」