「いたよー!」「いたぞー」

「ったく、なんでこんなとこいんだよ」


 道明寺へは今報道陣が詰め寄ってきていたから、みんなの荷物が一式置いてある皇へと今日のパーティーは変更となったのだけれど……。


「アオイちゃんもヒナくんも、連絡がつかないと思ったら、……まさか、こんなところで爆睡なんて」

「何かあったのかと思って心配したけど、よかったねー」

「二人は寝ていなかったので、こんなことなんじゃないかとは思いました」


 キサとキクが二人を見つけ、チカが文句を言っている横で、カナデは小さくため息をつき、ユズはほっと息をつき、レンはもはや呆れていた。


「でも、気持ちよさそうに寝てるね! あおいチャンとひなクン」

「ほんとほんと! あーちゃんかわいいっ」


 あとから来たアカネとオウリがしゃがみ込んで、気持ちよさそうに寝ている二人の顔を覗き込む。


「九条さんは、みなさんがレンくんと入れ替わってること知らないと思ってるんですから、皆さ~ん? お口チャックですよお?」

「日向の驚いてる顔が楽しみだ」

「皇くんの気持ちはとってもよくはわかりますが、彼は功労者なんですから、あんまり酷いことはしないであげてくださいね……?」


 それに加わりカオルが小さな声でそう注意をして、アキラの言葉にアイがそっと静かに突っ込みを入れている。


「二人とも幸せそうな顔しちゃってー」

「やっと葵ちゃんに毎日会えると思ったのに! ……俺は諦めませんよ信人さん」

「俺も同意見だよ。掻き乱しちゃえって指令も来てるから、俺らで二人を突きまくっちゃおうか」

「二人をというよりは、葵ちゃんを戴きます。食べちゃいたいと思います」

「んなことさせねえよ」

「なんで!? 翼くんも葵が好きでしょう?!」

「そりゃ好きですけど」

「そうやって葵ちゃんの好感度上げようとしてるんでしょ。させないからね!」

「いや、なんでそうなってんだよ。……普通に、不器用な弟を応援してやりたいんだけど」


 シントとトーマの間に入って、二人の邪魔をさせないようツバサが止めている。