すべてはあの花のために➓


 むぎゅっと抱きついて顔が見えなくなる。……きっと恥ずかしいんだなって。もうたくさん話してる時にいっぱいされたからもう十分わかる。


「それで、アイも許してもらうことがあったから、ちょっと言葉変えたりしたんだけど……」

「……アイくんね、話してくれたんだ」

「してたね。だから、……確認? みたいなのしたかったんだよ」

「そっか。仲良しさんだ」

「ここ数ヶ月は、みんなともいたけど、あいつらといる時間が濃かったからね」

「ヒナタくんも、アイくんの友達なんだね」

「……そうだね。そうだと思う」


 ま、そんな友達をオレは足蹴にしてしまったけれど。


「それからあんたを助けようと思って、言葉を変えてあんたと話した」

「うん。初めはさ、特殊な結婚式だったから、そんな誓約もあるのかと思ったんだ」

「そんなわけないじゃん。まあそれからみんなに話を振って、あんたに声を掛けてもらったんだ」

「許してあげてって?」

「ううん。何も言ってないよ。だから、みんなして許してくれて、オレもすごいほっとした」

「……うん。本当に夢みたいだ」


『知らなかった』『脅されたから仕方なく』……そんなの、理由にならないほどの大きな罪だ。今まで関わってきた人たちすべてにそう言ってもらえて、嫌いになんてなられずに済んで。本当に、彼の存在が大きいんだなと、胸がいっぱいだ。


「本当の参加者たちが痺れを切らして暴れると思ってたから、コズエ先生にその辺は任せたんだけど……」

「まさか発砲するなんて思わなかったね」

「うん。めっちゃビビったね。教会だよ? あの人神様敵にまわしたんじゃないの」

「神様敵にまわしても、カオルくんが守ってくれそうだけどね!」

「守るというより、一緒に地獄でもなんでも行きそうだけどね」

「はは! 確かに!」


 すっと体を離したかと思ったら、髪とかほっぺたをやさしく撫でてくるから、その手が気持ちよくて頬が緩む。


「……いやだったら、言ってね。オレも今、夢みたいだから……」

「嫌じゃないよ? ずっと言ってるのにい」


 嫌だったらまず、こんな近い距離に居るわけない。それだけ、彼のそばがすごく、居心地がいいんだ。