すべてはあの花のために➓


「――長っ!」

「え。……最初の感想がそれなの」


 あれからヒナタくんに、今までどんなことをしてきたのかを、全部話してもらっていたんだけど……。


「いやいや! 誰が三巻に渉ってすると思う!? ずっとこれ言いたくてしょうがなかったんだけど!! 読者さんビックリだよ!?」

「うん。オレもビックリ。作者が『長くなってごめんなさい』だって」

「でもあれだね。きっとヒナタくんの活躍シーンがあまりにも実は多かったから、こうなっちゃったってわけだ!」

「裏話とかじゃなくなったよね。どっちが表だよって感じだよね」


 彼は、本当に全部。……全部話してくれた。出来事だけじゃない。その時々で変わってしまっていた彼の、不安定な気持ちもすべて。


「……いっぱい。いっぱいいろんなこと、してくれてたんだね……」


 銀色をそっと撫でたら、くすぐったそうに目を細めた。


「それでそれで? 続きは?」

「え。……まだ話すの。いいでしょ。お願いだからもういいって言ってよ……」

「だーめ。教えて?」

「生足見てテンション上がった」

「そういうことじゃなくって……!!」

「続き……って言っても、あんたも知ってるけど」


 もう話すことに関しては吹っ切れたのか、また話をしてくれた。


「それから、本当の参加者が入ってくるでしょ? それに混じってみんなも入って待機してた」

「うんうん!」

「アイと二人して入ってきた時に、化粧でちょっと誤魔化してたけど、顔色悪いなって思った」

「すごい! そんなこともわかるの!?」

「わかるよ。どんだけあんたしか見てなかったと思ってんの」

「え。ちょ。近いっ……」


 話す度、照れ隠しなのかなんなのかわかんないけど、こうやっていじわるしてくる。でも、それも嫌じゃないから、何も言わないんだけど。


「で、でもヒナタくんだって寝てないんでしょ? それから食べてないって……」

「寝てないのは慣れてるけど、食べ物はアイに突っ込まれて正直出てきそうだった」

「え」

「でも、いろいろみんなと話してたら治まった。……なんか吹っ切れたんだと思うよ。睡魔も襲ってきて大変だったし」

「おっと。よく頑張ったね」

「うん。もっと褒めてー」


 頭をスリスリしてきて、……ちょっとかわいい。


「続き!」

「えー」

「おねがーい!」

「誓書ぶん投げようかと思った」

「え」

「だって、……嫌だったんだもん。しょうがないじゃん」