「……ハルナ。行ってくるね」
もう、ハルナを借りなくても大丈夫そうだよ。
「オレのなけなしの勇気、ちゃんとぶつけてくるよ」
勇気は全然溜まってない。……オレの中のね?
「それでも、いろんな人に支えられたんだ。……小っちゃい小っちゃいオレの勇気でも、何でか知らないけど、あいつにちゃんと話せそうな気がしてくるよ」
仮面を着け、赤い蝶ネクタイを見えないように隠す。
「……見ててハルナ。拗れきったオレの、真っ直ぐな本当の気持ち。あいつに…………ぶつけてきてやるからっ」
オレを、銀で。仮面で。赤で隠し。みんなの思いと罪を背負い、なけなしの勇気とともに。会場の大きな扉を開けて……あいつを待つとしましょう。



