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「――最後に、アイ。キツいと思うけど頑張って」

「うん。……大丈夫。大丈夫だよ?」

「ちょっと順番変えるかも。先にカエデさんと、あとはカナタさんにも話をしてもらって……」

「それはどちらでも俺は構わないよ」

「うん。ありがとう」


 これであとは、あいつが自分の口から話せば完璧だ。


「式当日は恐らく、自分が誰なのかを隠して参加してくるんじゃないかと思います」

「端から見たらただの財閥の結婚式だけれど、その根底の思惑を考えたら、それに参加すること自体バレてはいけないわね」

「だったら、会場に入ったら誰が誰かわからないってことですよねえ?」

「そうだね。でも、それを上手く利用すればいい」

「そんな状態だから、参加者に混じってしまってもわからないと?」

「そういうこと」

『どんな方法で来るのかはわからないから、そこは向こうがどう出るかによる……か』

「そうですね。それはまた報告お願いします」

「わかったわ」

『もう、ここで終わりにしよう!』

「うん。そうだね」

「終わらせましょう。最後までみんな、気は抜かないように」

「はあい。コズエさんっ」

「終わったらみんなで祝賀会だね」

「アイさん気が早いですよ。……でも、そうですね。もう疲れましたから。早く気を抜きたいです」

『雨宮先生も言ったけど、最後まで気を抜いたらダメだ。最後まで頑張ろう。終わったらマ○カしようね!!』

『「「「「「しません!」」」」」』



 ――さあ。チェックメイト、しに行こうか。