――――2日、夜中。
今日は大画面のテレビ電話のようなもので、コズエ先生からみんなに話してもらったことを一通りまた話をしてもらった。
『初めまして。……あ。紫苑さんと柾さんは違いますね。お久し振りです。その節はご迷惑をお掛け致しました』
そして、時間がそんなにないみたいだから早速話をしてくれた。
『海棠理事長からお話があったかと思います。私は、警視庁公安部に所属をしておりまして、桜の教師はある目的のために、理事長には話をして、教師と偽って過ごさせていただいておりました』
その目的とは、道明寺が薬と関わりを持っている可能性があるということ。
『実は、私の母もこの件について調べていましたが、任務中に致命傷を負いまして。健在ではありますが仕事は続けることができませんでした。なので、その任を私が引き継ぐことになり、道明寺へと接触をするため、その娘である葵さんへと先に接触をしようと思いました』
だから、桜の教師としてあいつの担任を持つことになってはいたが、あいつは編入しては来なかった。みんなも聞いていないことがあったから、その度に眉を顰めるような反応を寄越していた。
『しかし、このまま放置をしておけば彼女も危ないと思い、少し強引ではありましたが五十嵐組の方には内緒で協力していただき、上手く道明寺へと潜り込むことができました。その件に関して心配をしてくださった方には、感謝しています』
それからここでも、オレがこの件に関して協力をしていたから、こういう立場にいることも説明してくれた。
『潜り込んだはいいものの、自由に動けなかったのも事実です。それに葵さん自身のことを調べた結果、葵さんを助けるには、道明寺を内側から徹底的に調べ上げて壊すことだけでは無理だとわかりました。……そこで、以前に手伝ってもらったことのある九条くんに、手伝っていただいたんです』
先生は父さんと母さんにも謝罪を入れていたけれど、オレが好きでやってることだからと言っていたから小さく頷くだけだった。
『何故彼にお願いしたのかというと、信用のおける子どもだったからです。警察は今信用できませんし、公安の中では、彼女を助けること自体に反対をするものもおりました。その理由についてはまた、後日にお話しできればと思っています』
普段のあいつを知っているこの場の人たちは、どうして公安の中でそんなことを思う奴がいるのかわからないと、険しい顔をしている人が多かった。
『私もここで動けないなりにではありますが、ここの関係者を味方をつけることで彼女を救うことに繋がるかと思い、ここで信用のおける人を捜しておりました』
『それはまた後日に話します』と、そこで先生の話は終わった。
「……そんなわけで、オレはあいつを助けるために、取り敢えず助ける方法を探しながら、信用できる人たちを味方につけようと思いました。協力してくれた皆さん、本当にありがとうございます」
今日はここまで。各々散らばり、帰宅する人もいれば、完全に泊まる人は、用意された部屋へと帰っていった。



