ガンッッ!
そう思いながら机に突っ伏したら、思いの外勢いがよすぎて、尚且つ……。
「(……。痛い……)」
思い切り鼻をぶつけた。
……痛い。すごい痛い。痛すぎて鼻水出てきた……。
「(ていうかさ、みんなもこんなに長い間オレと一緒にいるのに、演技だってことよく気が付かないよね。それはそれでちょっと寂しいけど)」
まあ、本音を言えば為て遣ったりだ。でもオレがあいつに無視されすぎて壊れたとでも思ってるのか、どうやらみんなの中でオレがかわいそうな子になったみたいだけれど。
「(……あれ? それってよくないよね。オレのイメージからしてみたら)」
結局のところみんなにも協力してもらうことになるんだし、その時はボッコボコにされるかもわからないから、取り敢えずレンを盾にしよ、うん。
「(でも、思い出を作って欲しいのは本当だ)」
あいつの今までの思い出は、たとえ幸せなものであっても、本当は大切に思うが故の『両親との思い出』が黒く塗り潰していく。だから、そんなことができなくなるくらい、たくさん楽しい思い出を作ってあげて欲しいんだ。
「(あの時も言ってた。文化祭。バンドの時)」
少しでもみんなとの思い出を作ることが、きっと今のあいつにとっての幸せなことで。つらい気持ちが、安らぐ場所だから。



