【――ごめんけど。オレはあんたのこと、友達だなんて最初から思ってないから――】
初めは、忠実に従うこと。一局の序盤は最善の指し方で。
「……ま、こんなもんですかね」
最善っていうのは、『向こう側』にとってだけどね。オレの場合は。
「……ふーん。あなた、結構やるじゃない」
「どーも」
……そう。これは、捨て身の戦法。
「あの子たちもここ最近頑張ってくれてたみたいだけど、友達なんかじゃないあなたの方が、よっぽど使えそうね?」
「そりゃどーも」
「次はどうするの? 何か決めてたら教えてちょうだい」
「友達との仲直りのために、バレンタインの日になんかするみたいなんで、そこでどん底に陥れてやろうかと」
「あら。面白そうじゃない。期待してるわ?」
「はいはーい」
自分自身がどうなろうと構わないと決めた、失敗なんか許されない戦略――。



