❀ ❀ ❀
「だから、敢えてあいつとみんなが友達だってことを言えばいいと思うんだ」
流石に殺させはしない。オレがみんなも守るんだから。
「そんな……! バレてしまったら。もう……」
「そんなことさせるわけないでしょ。みんなにも動いてもらうんだよ」
『そ、それってどういう……?』
「取り敢えず、オレは何となく状況は把握したから大丈夫だけど、今みんなの中でパニック状態だ」
「ええ? それってどういうことですかぁ?」
「オレらはみんな、アキくんがあいつの婚約者だってことを知ったんだよ」
『ヒナタ。アキラだけは、婚約者候補まで知ってる』
「そう。それにみんなは、あいつがアキくんを好きだということも知ってる。まあ好きなのはアオイの方なんだけど、あいつはどうせ、みんなに上手く説明なんてできやしない」
『そうだね。アキラにも言えるところまでは言ったんだけど、あまりにもそれがぐっちゃぐちゃの文章で正直苛ってした』
「あ。そうなんだー(知ってるけどね)」
『だから葵も、みんなに同じような説明をすると思う』
「そう。その説明がわけわからないだろうし、しかもみんなあいつのこと好きだし。自分たちのこと振っといて、アキくんと実はそんな関係だったこととか黙ってて、ぶちギレると思うんだよね」
「え!? みんな告白してるの……!?」
「さっさとしたアイさんはちょっと黙ってください」
『そうなることを見越して、わざとヒナタはみんなを使うってことだね』
「流石にみんなには言えないけど、あいつのことを大事に思ってるほど、あいつのことを思ってるほどキレると思う。そしたらあいつは傷つくでしょ? だから、家としては万々歳。友達だって無くさない」
『……でも、それはあまりにも彼女がかわいそうじゃないか』
「そんなの、オレらが嫌うと思ってビビってるあいつが悪いんですよ。……嫌うわけ、ないのに」
しんと静まり返る沈黙が嫌で、小さく咳払いをした。
「だから、これでオレは潜入したあと、家の信頼を得るよ。あいつには少しキツいかもしれないけど、先のことを考えたら仕方ない。オレはみんなを使って、みんなのことも守る」
そう。これは、あいつを助けるためには仕方ないことだから。
あいつが一番傷つくのは、……大好きなオレらのキツい言葉だ。
「だから、敢えてあいつとみんなが友達だってことを言えばいいと思うんだ」
流石に殺させはしない。オレがみんなも守るんだから。
「そんな……! バレてしまったら。もう……」
「そんなことさせるわけないでしょ。みんなにも動いてもらうんだよ」
『そ、それってどういう……?』
「取り敢えず、オレは何となく状況は把握したから大丈夫だけど、今みんなの中でパニック状態だ」
「ええ? それってどういうことですかぁ?」
「オレらはみんな、アキくんがあいつの婚約者だってことを知ったんだよ」
『ヒナタ。アキラだけは、婚約者候補まで知ってる』
「そう。それにみんなは、あいつがアキくんを好きだということも知ってる。まあ好きなのはアオイの方なんだけど、あいつはどうせ、みんなに上手く説明なんてできやしない」
『そうだね。アキラにも言えるところまでは言ったんだけど、あまりにもそれがぐっちゃぐちゃの文章で正直苛ってした』
「あ。そうなんだー(知ってるけどね)」
『だから葵も、みんなに同じような説明をすると思う』
「そう。その説明がわけわからないだろうし、しかもみんなあいつのこと好きだし。自分たちのこと振っといて、アキくんと実はそんな関係だったこととか黙ってて、ぶちギレると思うんだよね」
「え!? みんな告白してるの……!?」
「さっさとしたアイさんはちょっと黙ってください」
『そうなることを見越して、わざとヒナタはみんなを使うってことだね』
「流石にみんなには言えないけど、あいつのことを大事に思ってるほど、あいつのことを思ってるほどキレると思う。そしたらあいつは傷つくでしょ? だから、家としては万々歳。友達だって無くさない」
『……でも、それはあまりにも彼女がかわいそうじゃないか』
「そんなの、オレらが嫌うと思ってビビってるあいつが悪いんですよ。……嫌うわけ、ないのに」
しんと静まり返る沈黙が嫌で、小さく咳払いをした。
「だから、これでオレは潜入したあと、家の信頼を得るよ。あいつには少しキツいかもしれないけど、先のことを考えたら仕方ない。オレはみんなを使って、みんなのことも守る」
そう。これは、あいつを助けるためには仕方ないことだから。
あいつが一番傷つくのは、……大好きなオレらのキツい言葉だ。



