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「頑張ってさ? 花を咲かせてあげようね。翼くん。日向くん」

「「……はい」」


 同じように言葉を重ねる彼らに、つい嬉しくなって頬が緩む。


「あ、そうだ! 二人とも今暇かな? これから一緒にマ○カ」

「俺今日のうちに課題済ませておこー」

「オレはそんなツバサの邪魔をするので忙しいんで」

「え。……翼くんは真面目だなって思うけど、日向くん。それって暇って言ってるようなものじゃ」

「それじゃあ理事長。失礼しまーす」

「CPと永遠対決してれば?」

「つ、冷たいっ……」


 あっという間に二人は理事長室から出て行ってしまった。……そうか。ぼくは一人でこれから先の見えない戦いをしないといけないんだね。
 ぐすんと、一人でゲームの準備をしようとしてたら、ノックもせずに誰かが入ってきた。


「え。……帰ると思ってたんですか。オレの用事はまだ済んでないでしょ」

「あ……! 一緒にマ○カ」

「しねえ」

「……しくしく」


 まあ、そんなことだろうとは思っていた。
 ……でもさ? しながら話すことだってできるじゃん? してくれたって。いいのにね……。


「それじゃあオレはク○パで」

「え?」


 彼は、途中でやめてたゲームの準備をしてくれていた。


「ゲーム自体は好きなんで。ていうか大概成長してくださいよ」

「……はは。うん。そうだね」


 こうやって、時々この子はやさしいんだから。こう言うのもきっと、わかる人にはわかるんだろうけどな。